Clarinet — Register Transitions
クラリネットは音域によって音の性格が大きく変わる楽器です。とくに「のどの音域」は響きが痩せやすく、ここを放置すると音階が凸凹に聞こえます。音孔の操作で解決する方法を解説します。
クラリネットは、他の木管楽器と違って12度で音域が切り替わる構造を持っています。このため、音域ごとの性格の差が大きく、つなぎ目の処理が課題になります。
のどの音域の対策として、ICAの資料では resonance fingering(共鳴指使い) が有効とされています。本来押さえる必要のない下側の指を添えることで、管の共鳴を助ける方法です。
レジスターキーをまたぐ移行は、リードミスや音の途切れが起きやすい箇所です。以下の順で練習してください。
音域差の解消は一度で終わる作業ではなく、日課に組み込んで継続的に整えるものです。JCAの教材でも、ロングトーンは「毎日全音ではなく数日で一周」でよいとされています。
低音から高音まで、8〜12秒程度保持します。p–mf–f–mf–p のダイナミクスのアーチをつけ、鏡でアンブシュアを確認しながら行います。全音域を毎日やる必要はなく、数日で一周する配分で構いません。
チューナーの針を見るだけでなく、ドローンを鳴らして純正な五度・三度を作る練習を入れます。音程と音色は連動しているため、両方が同時に整います。
長短音階を、スラー→単タンギング→スタッカート→変則リズムの順で。音域をまたぐ箇所で音色が変わっていないか、常に耳で確認します。暗譜を優先してください。
週に一度は録音して聴き返します。「音階が段差に聞こえないか」という観点で確認すると、改善点が明確になります。
音域と音色の問題について、よくある質問をまとめました。
構造上の特性です。この音域は開いているトーンホールが少なく、管の共鳴が得にくいため、音が細く曇りやすくなります。奏者の技術不足というより楽器の性質なので、共鳴指使いのように音孔の操作で補うのが正攻法です。
楽器とマウスピースの組み合わせによって最適解が変わるため、一律の正解はありません。のどの音域を鳴らしながら右手の指を数本トーンホールに置き、音色と音程の両方を確認しながら自分の楽器で探してください。音色が良くなっても音程が下がりすぎる組み合わせは避けます。
噛み込みで音程を調整していないか確認してください。アンブシュアを締めて音程を上げると、音色が硬くなり、音域ごとの差がさらに広がります。ICAの資料では、embouchure を過度に締めず音孔の操作で上げる発想が推奨されています。ドローンを併用したロングトーンで、耳で和声関係を作る練習を日課に入れてください。
息が一瞬止まっているのが主な原因です。移行する2音だけをスラーで往復し、ゆっくりしたテンポで息が流れ続けることを確認してください。あわせて、無音運指で指とレジスターキーが同時に動いているかを確認します。どちらかが遅れると、間に不要な音が鳴ったり途切れたりします。
音域の統一とロングトーンの日課は、以下のPDF教材にも具体的なメニューとして収録しています。
Klosé・Baermann・Rose を軸にした学年別の到達目標と、中学〜音大のレベル別PDF教材はこちらにまとめています。