フルートの高音が出ないときの練習法

Flute — Third Octave

高音は「強く吹く」ものではありません。息を強くするほど音は薄く硬くなります。必要なのは息の速度と唇の穴の精度で、そのどちらも小さい音量のほうが調整しやすくなります。

📋 この記事でわかること
📑 目次

高音は速度で出る

第3オクターヴが鳴らないとき、多くの人が息を強くします。しかしこれは逆効果です。必要なのは量ではなく速度で、この2つは別のものです。

症状別の対処

Aまったく鳴らない

下のオクターヴから繋げて上がってみてください。オクターヴの跳躍で上がれるなら、単発でのアタックの問題です。繋げても上がれないなら、息の速度が根本的に足りていません。

B音が薄い

息が拡散しています。pp〜mp で高音のロングトーンを行い、音量を下げた状態で芯のある音を探してください。小さい音で芯が出せれば、あとは音量を足すだけです。

C音が硬い・金属的

唇を締めすぎています。一度中音域に戻って力の抜けた音を確認し、その状態を保ったまま上がり直してください。

D音程が上ずる

吹き込みすぎと緊張が主な原因です。ドローンを鳴らしながら三度・五度の関係で音程を確認し、録音して自分の傾向を把握してください。針を見て合わせるより、耳で和声関係を作るほうが実用的です。

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音量を下げて芯を探す

高音の練習で最も効果的なのは、逆説的ですが音量を下げることです。大きな音では力任せに鳴らせてしまうため、何が効いているのかが分かりません。

💡
第3オクターヴでは運指も確認してください。この音域には特殊な運指が多く、中音域までの延長で押さえていると鳴らない音があります。運指表を手元に置き、押さえているつもりの指が正しいか一つずつ照合してください。「奏法の問題だと思っていたら運指違いだった」というケースは少なくありません。

練習を安全に進めるために

よくある質問

第3オクターヴの練習についてよくある質問です。

高音を出すには強く吹くべきですか?

いいえ。必要なのは息の量ではなく速度です。唇の穴を小さくまとめれば、息の量を増やさずに速度を上げられます。強く吹くと息が拡散して唄口のエッジに集中せず、音はかえって薄く不安定になります。高音で音が薄い・硬いときは、息速過多と唇の締めすぎを疑ってください。

第3オクターヴの運指が覚えられません。

第3オクターヴには中音域までの延長では説明できない特殊な運指が多くあります。暗記しようとするより、実際に音階を吹きながら運指表と一つずつ照合するほうが定着します。「鳴らない」と思っていた音が、実は運指違いだったというケースは非常に多いです。

高音を練習すると唇が疲れます。

締めすぎのサインです。pp で鳴る範囲だけを練習し、力を使わずに出せる音域を確実にしてください。また、高音の練習は日課の後半に置き、ウォームアップ直後には行わないようにしてください。疲れた状態で粘るより、翌日に回すほうが結果が出ます。

高音になると音程が高くなりすぎます。

吹き込みすぎと緊張が典型的な原因です。ドローンを鳴らしながら三度・五度の関係で音程を確認し、録音して自分の傾向を把握してください。チューナーの針を見て合わせるより、耳で和声関係を作るほうがアンサンブルでも通用します。

🎼 この記事の練習で使う道具 広告

この記事で紹介した練習は、メトロノームとドローンの併用を前提にしています。

メトロノーム
この記事の練習はすべてメトロノーム併用が前提です。テンポを1目盛ずつ上げる運用には電子式が向いています。
チューナー(ドローン機能付き)
ドローン(基準音の持続)を鳴らせる機種だと、針を見るのではなく耳で和声関係を作る練習ができます。

この記事と一緒に使える教材

音域拡張と音色の練習は、以下のPDF教材にも段階を追って収録しています。

PDF
高校生向けフルート練習ガイド
High School Level

コンクールを目指す奏者向け。音域拡張・ヴィブラート・アーティキュレーションを含む中級〜上級内容。

高校生中級〜上級
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大学・音大生向けフルート練習ガイド
University Level

音楽大学専攻生向け。エチュード・協奏曲・オーケストラ抜粋まで含む総合練習法。

大学生音大生上級
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フルート練習楽譜集
Practice Sheet Music

日課練習・エチュード・スケールの楽譜集。ウォームアップから高度なテクニック練習まで収録。

楽譜全レベル
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